イケめんでイケてるそのバンドは人気者だ。
開演前から、ファンの女の子たちはケータイをスタンバイ。
ローディたちがバスドラの位置をバミリにあわせ、
ボーカルマイクを置く。
ギターのチューニングもばっちり。
キャンドルが施されたステージはムード満点。別世界。
「演出」は完了。出番本番。衣装は鉄板。
黄色い声援、フラッシュ、「あなたをロックオン」的眼差し。
ライブは「夢」を売る商売だ。
「そこ」に生きていてはいけない人たちが奇跡的に「そこ」に現れるから、
お金を払って観るのだ。
夢の世界からやってきた素敵な人たち......。
暗転。
次のバンド。出番前。
「おい、ぼちぼち行こ」
「たこ焼き食い過ぎた」
「寒いな、ジャンパー来て弾こう」
「俺の手拭い、どこいった?」
「やべ、ホッカイロ無くした。ピーンチ!(死語)」
おっさんのバンドも「夢」を売りたいと思っている。
但し、音楽で。
そして、確実に「そこ」で生きている。
というか「そこらへん」で。
ライブ中、グラサンよろしく、
エロいメロディをこれでもかと吹いていた
サックスプレイヤーは
ライブ終了、1時間後には
高速のサービスエリアで「かけうどん」をこれでもかとススッていた。
「うどんだけは大丈夫やねん、うまいねん」
ほんとだよ。
大丈夫だと思ったよ、このバンド。
長年やってるけど。なんかね。
追記
(本人たちはビジュアル系バンドだと思っている)
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